道人 (どうじん)

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京都の底知れない日本料理界の奥行をまたもや

痛感した宵となりました。

こちらのオープンのことは半年前ほどから聞いており、

楽しみにしていました。

店名「道人」は、どうじん、と読みますが、

店主、中島道人さんの名前です。

「未在」で8年、その後、3年ほど老人ホームで食事を作っていた、

という異色の経歴。

そもそも、この道に進みたかったのは、自分が病気になり、

食事の大切さを思い知ったから、だそうです。

まだ若いながら、随所にきらりと光る技と、

自信に満ちたオーラ。

厨房にいるときが一番楽しい、そうで、

休日も市場を歩くのだそうです。

大宰府のご出身とのことで、この日もお母様から送られて

きた、かの地の素材が登場しました。

「未在」とは全く違う、独自のワールドを早くも形成。

一人ですべてこなしているので、カウンターは6名入れますが、

当面1組ほどしかとらない、とのこと。

大将は、茶道の心得もあり、奥には、茶室もあります。

さらに驚いたのは、私がお邪魔したある店の話になったときに、

その店名が、漢詩に由来することをすらすらと話されたのです。

あふれる教養が垣間見えました。

これは、楽しみなお店がまた増えました。


この日のコースです。 20000円。

1、白無花果

  皮が柔らかすぎて市場にはでないもの。
  向日町の農園まで買いにいくそうです。
  この農園、田んぼのように畑に水を入れて
  野菜を育てています。

2、太刀魚の炙り

  ポン酢生姜餡で。
  茗荷、葱、赤紫蘇

3、鮪

  なんと、お造りは、鮪だけで勝負。
  「やま幸」さんからの鮪で、ボストン産。
  昆布醤油で。

4、天然鱸 小吸物

  この出汁に唸りました。
  昆布出汁のみで、塩は不使用。
  薄い出汁に塩などを足すのではなく、
  濃いめに作って薄めるのが、道人流。
  昆布は、水出しで、一晩かかってます。

5、根室産赤雲丹の一口寿司

  根室の毛蟹と。
  味噌の替わりに雲丹を使うというアイデア

6、韓国南瓜(ほうば)と三島亭のヒレ

  韓国南瓜はかぼちゃとズッキーニの間のような
  食感。
  実山椒のソースにまたまた唸りました。
  実山椒をペーストにし、ご飯でとろみを。

7、煮鮑

  実家から送られてきた里芋を揚げ物に。
  赤と緑の万願寺唐辛子
  新銀杏
  栗をたっぷり削って。
  銀餡  (塩で鰹節の旨味を引出し、醤油を2滴)

8、出汁すき

  徳島産白ぐじと松茸
  希少な白ぐじですが、徳島産が最も美味と。
  卵をつけていただくと、すき焼きに。
  
*ここで、煮えはなを

9、伝助穴子

10、はぐら瓜、昆布、生からすみ

  はぐら瓜は、歯がぐらぐらしていても
  食べられるから。

 ご飯は、滋賀の「夢ごこち」。
 名前に惹かれたそう。

 *ここで、ご飯のお供に、鮪の漬けも
  登場。

11、呉豆腐

  豆腐に、八重山の黒蜜
  この黒蜜が美味なので、黒蜜を食べるための
  豆腐。

12、シャインマスカット

 
  一人ですべて仕切っていらっしゃるので、

  時間はかかりますが、その「間」さえ、楽しみです。

  考え抜かれた素材と素材の組み合わせ。

  しっかりした基礎がありながら、それに

  とらわれない柔軟な思考と発想。

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